夏本番!お風呂上がりの冷たい麦茶。実はそれ、眠り遠ざけてるかも
眠れない夜、頭の中だけが働き続けている。〜夏の睡眠のおはなし
こんにちは!
記事を開いていただきありがとうございます
今週から、たまに東洋医学も学んでいる薬剤師としての、
季節を快適に過ごすコツも
発信していきますね。
良い言葉は、バランスの取れた
心と体から紡ぎ出されるもの。
今日は夏の睡眠のおはなしです。
夏の暑さは、これからが本番
暦の上では、いまは「小暑(しょうしょ)」と呼ばれる時期。
梅雨が明けはじめ、暑さが本格的になっていく節目にあたります。
暑中見舞いを出しはじめるのも、この頃からなんですね。
お風呂上がりに、氷をたっぷり入れた麦茶(もしくはビール)をぐっと飲む。
夏のいちばんの楽しみ、という方も多いと思います。
わたしも大好きです。
でも、寝る前のこの一杯が、
実は眠りを遠ざける一因かもしれません。
先に言っておくと、麦茶が悪いわけではないんです。
悪いのは、氷のほうなんですね。
今夜は、「体はくたくたなのに、頭の中だけが働き続けて眠れない」
——そんな夏の夜のおはなしです。
夏になると「眠りが浅くて」という相談、増えます
寝つけないというより、夜中の2時、3時にふっと目が覚めてしまう
そして、昼間は思い出しもしなかった考えごとが、
順番待ちでもしていたかのように押し寄せてくる。
・返しそびれたメール
・言い方を間違えたかもしれないひと言
・この先の仕事のこと。
体は疲れているのに、頭の中だけが煌々と明かりをつけて働いている。
正直に言うと、わたしにもそういう夜があります。
子供の夜泣きやトイレに付き合って起きて。
眠れないままスマホを開いて、
誰かの投稿を眺めて、
余計に目が冴えてしまう夜が。
漢方の現場に13年いて分かったのは、
これは意志の弱さでも、
心配性のせいでもない、
ということでした。
ちなみに、前提として、
夜中に2〜3回目が覚めるのは、
体のリズムとしては正常なことです。
問題は
・もう一度、寝付けないこと。
・昼間に眠気が残ること。
それより前に、夏は、そもそも体の設計として、眠りにくい季節なんです。
夏の夜に起きている、3つのこと
1|冷たい一杯は、眠りの入口を少し遠ざける
人の体は、深部の体温がすとんと下がるときに眠気が訪れます。
寝る直前に氷入りの飲み物で胃腸を急に冷やすと、
体は「冷えすぎだ」と判断して、
逆に熱を守ったり、熱を作り出そうとします。
眠りへの下り坂が、なだらかでなくなってしまうんですね。
東洋医学でも、胃腸の冷えは気血の巡りを滞らせる、と考えます。
麦茶そのものは体の熱をやわらげてくれる、
夏に理にかなった飲み物です。
だから、やめなくていい。
氷を抜いて、常温にする。それだけで十分です。
2|夏は「心」の季節。頭の中の渋滞は、心の火照り
東洋医学では、夏は「心(しん)」の季節とされます。
中医学の五臓論は、解剖学の心臓よりももっと広い役割を担っています。
心は、精神——「神(しん)」の宿る場所。
眠りとは、一日働いた神が心に帰って休むことだ、と考えられています。
現代医学でも、眠りの間に、日中脳内に溜まった老廃物を、
脳脊髄液が洗うと言われていて、
心身の回復にはとても大切な営みなんですね。
ところが、夏は、暑さで心に熱がこもりやすい。
火照った部屋ではゆっくり休めないのと同じで、心が熱を持つと、
神が落ち着いて帰れなくなるんです。
心に火が灯ると考え、心火という言葉で表現します。
夜中に考えごとが止まらないのは、
あなたの心が弱いからとか、性格だからではありません。
夏はそういう設計なんですよね。
そう、理解してから、私は夏の不眠が怖くなくなりました。
3|サフラン茶という、静かな味方
そんな夏の夜に、わたしが最近すすめているのがサフラン茶です。
パエリアに使う、あの赤い糸のようなスパイス。
探したらスーパーのスパイス棚に、並んでいました。
昔は、地域の薬局で売ってたと思うのですが、
保険調剤に面舵切ってからは
消えていった印象ですね。。。
残念。
1杯に使うのは2〜3本なので、小さな1瓶で長く付き合えます。
東洋医学では「番紅花(ばんこうか)」という生薬で、
心の熱を鎮めて神を落ち着かせ、
滞った血と気持ちの巡りをひらく、と考えられてきました。
まさに、夏の火照った心のための一杯なんですね。
近年は研究も進んでいます。
臨床試験では、体の中で自然に分泌される
睡眠ホルモン(メラトニン)の夜間の量を後押しすることや、
寝つくまでの時間が平均20分ほど短くなったという報告もあります。
脳の興奮をしずめる仕組み(GABA)に働きかけることも分かってきました。
飲み方は、糸を2〜3本カップに入れて、
お湯を注いで数分待つだけ。
ほんのり甘い香りと、
きれいな黄金色が広がります。
ひとつだけ、薬剤師として必ずお伝えしたいことがあります。
サフランは血を強く動かす生薬なので、妊娠中・授乳中の方は避けてください。
授乳中の方へのおすすめ漢方、薬膳は別にあるので、
身近な専門機関に相談するか、個別でご連絡くださいね。
私も、とてもお世話になりました!
そして、これは「飲めば眠れるお茶」ではありません。
火照った心を鎮める、小さな手伝いです。
今夜の3分ジャーナリング
眠る前に、もしくは眠れない夜中に、ノートでもスマホのメモでも。
正しい答えを書こうとしなくて大丈夫です。
「今夜も、また、頭の中で熱を発しているものは、何だろう?」
書けたら、直さなくていいし、解決しなくていい。
そっかぁ、これが気になってたのかぁっとただ眺める。
そのあとは深呼吸したり、瞑想したり、ストレッチしたり、
頭の中で残業していた言葉に、退勤してもらうよう促してみてくださいね。
明日からひとつだけ、と言うなら
——寝る前の麦茶の氷を、抜いてみてください。
サフランは、スーパーで見かけたときに手に取ってみる、
くらいでちょうどいいと思います。
眠れない夜がすぐになくなるわけではないかもしれません。
でも、「これは季節のせいで、私のせいじゃない」と知っているだけで、
深夜2〜4時の心細さは少し変わるはずです。
それから最後に、ひとつだけ本音を。
スペインやイタリアには、いちばん暑い時間に休むお昼寝の文化があります。
カンボジアやベトナムを訪れた時も、午後はみなさん堂々と寝てました。
フィンランドは大学にお昼寝スペースがあります。
日本の夏も、もうあの暑さです。
そろそろ日本にも、2時間くらいのお昼寝タイムがあっていいと思うんですよね。
薬剤師としての正しい答えは、「お昼寝は15〜20分まで」です。
長すぎるお昼寝は、夜の眠りを浅くしてしまうので。
でも、この暑さの中でがんばっている体のことを思うと、正しさより先に、そう言いたくなる夏があります。
あなたの夏の夜が、少しでも涼しくありますように。
夏の睡眠のエピソード、よかったらコメントで教えてくださいね。





サフランお茶にもなるんですね。パエリアとかに入れるものだと思っていました。
あずささん、こんにちは。
サフラン茶、初めて聞きました。
見かけたら試してみたいです。
ありがとうございます✨